
「あなたの軸は何ですか」と聞かれて、何も答えられなかった。そんな経験はありませんか。答えられなくても大丈夫です。ここから一緒に整理していきましょう。
この記事では、自分の軸の意味と他人軸との違い、そして軸を言葉にしていく5つの手順を、順を追ってお伝えします。
会社員だった頃、毎朝ぎゅうぎゅうの電車に押し込まれて揺られていました。特別に何かがあった朝ではなく、ただの平日の朝です。
その中でいつも考えていたのは、いつまでこの状態が続くんだろう、いつまで頑張ればこの生活を抜け出せるんだろう、ということでした。
限界が来ていたわけではありません。仕事は評価されていましたし、任される範囲も増えていました。それでも、朝起きる時間を自分で決められないこと、電車に乗らなければならないこと、その一つひとつが静かに積み上がっていました。
限界ではないのに、満たされない。当時のわたしにとって一番の問題は、この状態にうまく名前をつけられなかったことでした。ここで扱う「自分の軸」は、その名前をつけるための道具にあたります。
「このまま今の会社にいていいのか」——この問いは、情報を集めるだけでは答えが出ません。
わたしも、調べては閉じるループを1年以上くり返していました。そこから抜け出せたときに何が変わったのかを、20分弱の無料動画にまとめています。準備が整うのを待たなくても、動き出せます。

※ この記事の続きでも、軸を言葉にしていく入り口をお伝えします。
自分の軸(自分軸)とは何か
- 自分の軸とは、迷ったときに何を優先するかの順番のこと
- 「ない」のではなく、まだ言葉になっていない状態が多い
- 自分の軸と「やりたいこと」は、別のものとして考えられる
ここでは、自分の軸という言葉を「性格」ではなく「判断のしかた」として置き直していきます。ここが変わると、後の手順がぐっと進めやすくなります。

自分の軸とは「迷ったときに何を優先するかの順番」
自分の軸は、しばしば「ぶれない信念」や「強い意志」のように語られます。ただ、そう定義すると多くの人が最初から脱落してしまいます。
この記事では、もう少し扱いやすく定義します。自分の軸とは、判断に迷ったときに、自分が何を先に取るかの順番のことです。
たとえば、収入は下がるけれど裁量が増える仕事の話が来たとします。このとき収入を取るのか、裁量を取るのか。その順番があなたの軸です。
順番なので、立派である必要はありません。「とにかく休みが欲しい」でも軸として機能します。大げさなビジョンを用意しなくていい、というのがこの定義の利点です。
自分の軸がないと感じるのは、なくしたのではなく言語化していないだけ
「自分には軸がない」と感じている方の多くは、実際には毎日いくつも判断をしています。何を食べるか、どの仕事から手をつけるか、誰の誘いを断るか。
つまり、優先順位そのものは動いています。動いているのに説明できない。これは軸がない状態ではなく、軸が言葉になっていない状態です。
両者はよく似ていますが、対処法がまったく違います。前者だと「性格を変える」話になり、途方に暮れます。後者なら「言葉にする作業をする」だけで済みます。
この記事は後者の立場を取ります。軸は探しに行くものではなく、すでに動いているものを言葉にしていくもの、という考え方です。
自分の軸と「やりたいこと」は別物
自分の軸を探そうとすると、多くの方が「やりたいこと」を探し始めます。そして見つからず、自分には何もないと落ち込んでしまいます。
けれど、この2つは別のものとして扱えます。やりたいことは「目的地」で、軸は「選び方」です。
目的地が決まっていなくても、選び方は決められます。行き先が未定でも、「混んでいる道は避けたい」という基準は先に持てるのと同じです。
ですので、やりたいことが見つからないまま軸づくりを始めても問題ありません。順番としてはむしろ、軸のほうが先に言葉になることが多いです。

定義が軽くなると、少し息がしやすくなりませんか。次は、よく混同される「他人軸」との違いを整理していきます。
自分軸と他人軸の違い|わがままとの線引き
- 他人軸とは、他人の期待を判断の一番上に置いている状態
- 自分軸は「わがまま」とは異なり、相手を無視することではない
- 他人軸そのものが悪いわけではなく、固定されるとつらくなる
ここでは、自分軸と他人軸の違いを整理します。あわせて、多くの方が気にする「わがままとの線引き」にも触れていきます。

他人軸とは、他人の期待を判断基準にしている状態
他人軸とは、判断するときに他人がどう思うかを一番上に置いている状態を指します。上司の評価、親の期待、同期との比較などが基準になっている状態です。
ここで大事なのは、他人の期待を判断材料に「入れること」自体は自然だという点です。わたしたちは人との関係の中で働き、生活しています。
問題になるのは、それが常に一番上に固定されているときです。順番の最上位が他人で埋まっていると、自分の希望を検討する枠が残りません。
つまり他人軸とは、他人を大事にしすぎている状態というより、自分の希望を検討する順番が回ってこない状態だと言えます。
自分軸は「わがまま」ではない
自分軸を持とうとすると、「それはわがままなのでは」と不安になる方は少なくありません。この心配自体が、他人軸が上位にある証拠でもあります。
両者は、相手の事情を検討したかどうかで分けられます。わがままは、相手の事情を検討せずに自分の都合を通すことです。
一方の自分軸は、相手の事情も検討したうえで、それでも自分の優先順位を説明できる状態を指します。検討を省いていない点が決定的に違います。
そのため、自分軸がはっきりしている人ほど、断り方が丁寧になることがあります。理由を説明できるので、相手を雑に扱わずに済むからです。
他人軸が悪いわけではない
ここは、多くの記事とわたしの考えが少し違うところです。他人軸は、責められるようなものではないと考えています。
他人の期待に応えようとするのは、相手を大事にしたいからです。その気持ち自体を否定してしまうと、今度は「人に配慮する自分」まで失うことになります。
目指したいのは、他人軸をなくすことではありません。他人軸と自分軸を、場面によって入れ替えられる状態です。
つらくなるのは、入れ替えができず、常に他人が上に固定されているときです。ですので、この記事の目標は「軸を1本に決めること」ではなく「順番を動かせるようにすること」だと考えてください。

他人軸を悪者にしなくていい、と考えると少し楽になります。次は、軸がある人・ない人の特徴を見ていきましょう。
自分の軸がある人・ない人の特徴
- ここで挙げる特徴は、性格ではなく「今の状態」を表すもの
- 軸がある人は、判断の理由を自分の言葉で説明できる
- 当てはまっても、能力の問題ではない
ここでは特徴を整理しますが、その前に一つだけ確認させてください。これから挙げるのは固定された性格ではなく、今そうなっているという状態の話です。
自分の軸がある人に共通する3つの特徴
自分の軸がある人には、行動面でいくつか共通するところがあります。強い意志があるというより、判断の手順が定まっている状態です。
- 選んだ理由を、他人の言葉ではなく自分の言葉で説明できる
- 断るときに、相手を否定せずに理由を伝えられる
- 選択が外れたとき、自分を責めるより「何がずれたか」を見に行ける
3つ目は見落とされがちですが、実務ではここが一番効きます。理由を言葉にしてから選んでいると、外れたときに検証ができるからです。
逆に、なんとなくで選んでいると、外れたときに残るのが「自分はダメだ」という感想だけになります。軸があると、失敗が反省ではなく情報に変わります。
「軸がない」と感じている人によくある状態
一方、自分には軸がないと感じている方には、次のような状態がよく見られます。
- 意見を聞かれると、まず相手が求めていそうな答えを探してしまう
- 選択肢を調べ尽くしてから決めようとして、決まらないまま時間が経つ
- 誰かの生き方を見て焦り、でも自分が何をしたいかは出てこない
この3つは、いずれも判断力が低いから起きているのではありません。むしろ、選択肢をきちんと検討しようとする真面目さから生まれています。
検討する材料は集められるのに、優先順位の基準がないので比較が終わらない。そういう構造で止まっていることが多いです。
特徴に当てはまっても、能力の問題ではない
ここまで読んで、自分は後者だと感じた方もいると思います。ただ、それは能力や性格の欠落ではありません。
軸を言葉にする作業には、まとまった時間と、話を聞いてくれる相手が要ります。この2つが揃っていない環境にいると、誰でも軸は曖昧なままになります。
平日は仕事に追われ、休日は回復に使う。その生活で「自分は何を大事にしているか」を言葉にできている人のほうが、むしろ少数派です。
ですので、当てはまったことをご自身の欠点として受け取らないでください。次の章では、なぜそうなるのかを構造の側から見ていきます。

特徴の一覧は、自分を採点するためのものではありません。次は「なぜ軸が曖昧になるのか」を、3つの原因から見ていきます。
なぜ「自分の軸がない」と感じるのか|3つの原因
- 「こうあるべき」が先に入っていると、自分の希望が後回しになる
- 選択肢が多すぎると、比較が終わらず基準が曖昧になる
- 止まって考える時間が物理的にないことが、最大の要因になりやすい
ここでは、軸が曖昧になる原因を3つに分けて見ていきます。いずれも意志の弱さではなく、置かれている状況の側にある要因です。

原因1|「こうあるべき」が先に入っている
わたしたちは、育ってきた環境や職場を通じて、たくさんの「こうあるべき」を受け取っています。安定した会社にいるべき、20代のうちに成果を出すべき、といったものです。
それ自体が悪いわけではありません。ただ、べき論は自分の希望より先に頭に浮かぶので、順番の上位を占めてしまいます。
結果として「本当はどうしたいか」を考える前に、「どうするのが正しいか」の答えが出てしまいます。これが繰り返されると、自分の希望を検討する習慣が薄れていきます。
軸が出てこないのではなく、べき論に先を越されている状態だと考えると、対処の見通しが立ちやすくなります。
原因2|選択肢が多すぎて基準が曖昧になる
転職、副業、フリーランス、資格取得。今は働き方の選択肢が非常に多く、しかも毎日のように新しい情報が流れてきます。
選択肢が増えると比較の手間も増えます。全部を比べ切ってから決めようとすると、比較が終わらないまま消耗していきます。
そして情報を集めるほど、判断はむしろ難しくなります。基準がない状態で材料だけが増えるからです。
調べても決まらないという感覚は、努力不足のサインではありません。順番が逆になっているサインだと受け取ってみてください。
原因3|止まって考える時間が物理的にない
3つ目が、もっとも見落とされやすく、そしてもっとも影響が大きい要因です。単純に、立ち止まって考える時間が確保できていないという問題です。
自分の価値観を言葉にする作業には、まとまった時間と、静かな環境が要ります。残業のあと、通勤電車の中でできる作業ではありません。
そして、この「止まれなさ」は本人の意志ではどうにもならないことが多いです。仕事の量も、締切も、自分で決められる範囲の外にあるからです。
なお、この自分で決められる感覚は、幸福感の研究でも扱われています。独立行政法人経済産業研究所(RIETI)の「幸福感と自己決定―日本における実証研究」では、2万人を対象とした調査から、自己決定度の高い人のほうが幸福度が高いという結果が示されています。
知っておきたいこと
この研究は「自分で決められると幸福度が高い傾向がある」ことを示したものです。今すぐ大きな決断をすべきだ、という意味ではありません。決められる範囲を少しずつ取り戻していく、という方向で受け取っていただければと思います。

原因が構造の側にあると分かると、責める相手が自分から状況に移ります。ここからは、実際に軸を言葉にする手順に入っていきます。
自分の軸の見つけ方・作り方【5ステップ】
- 完璧な軸を出そうとせず、まず1つ言葉にすることを目標にする
- 感情が動いた出来事から入ると、材料が集まりやすい
- 出した軸は固定せず、小さな判断で試して書き換えていく
ここからは実際の手順です。ハードルはできるだけ下げてあります。全部やらなくても、ステップ1だけで得られるものがあります。

ステップ1|過去の「嬉しかった・嫌だった」を書き出す
最初にやるのは、紙に出来事を書き出すことです。価値観を考えるのではなく、感情が動いた場面を思い出すだけにしてください。
紙を1枚用意して、真ん中に線を引きます。左に「嬉しかったこと」、右に「嫌だったこと」と書きます。
そこに、仕事でもプライベートでも構わないので、思い出せる場面を並べていきます。小学生の頃の話が出てきても問題ありません。
目安は各5個ほどですが、3個でも構いません。大事なのは、いい話にまとめようとせず、そのときの感情のまま書くことです。
ステップ2|その出来事の共通点を探す
次に、書き出したものを眺めて、似ているところを探します。ここで初めて「なぜ嬉しかったのか」を考えます。
たとえば嬉しかった側に「一人で調べて解決した」「自分のペースで進められた」が並んでいれば、裁量に関する何かがありそうだと分かります。
嫌だった側も同じように見ます。「意味の分からない指示」「急な予定変更」が並ぶなら、こちらも裁量の話です。
嬉しかった側と嫌だった側で同じテーマが出てきたら、それはかなり強い候補です。裏返しの関係になっているものほど、あなたにとって重い項目である可能性があります。
ステップ3|「意見・経験・感情・価値観」で1つ深掘る
共通点が見えたら、そのうち1つだけを選んで深掘りします。全部やろうとすると続かないので、1つで大丈夫です。
掘り方は、次の4段階で書いていく方法が扱いやすいです。
- 意見:その出来事について、今どう思っているか
- 経験:具体的に何が起きたか(事実だけ)
- 感情:そのとき何を感じたか
- 価値観:その感情が出たということは、何を大事にしているのか
最後の「価値観」は、うまい言葉にならなくて構いません。「勝手に決められるのが嫌」くらいの粗い言葉のほうが、後で使えます。
きれいな言葉にしようとすると、途端に他人から借りた表現になります。粗いままのほうが、あなたの実感に近い状態で残ります。
ステップ4|出てきた言葉を優先順位に並べる
ここが、この記事でお伝えしたい中心です。出てきた言葉を、上から順に並べます。
たとえば「裁量」「収入」「人間関係」「勤務地」が出てきたなら、この4つに順位をつけます。全部大事、では軸として機能しません。
順位をつけるのは苦しい作業です。何かを下に置くことになるからです。ただ、この苦しさこそが軸の実体だと考えています。
迷ったときは、「どちらかを諦めるとしたら、どちらならまだ耐えられるか」で比べてみてください。欲しいもの同士では比べにくくても、失うもの同士なら順番が出ることがあります。
ステップ5|小さな判断で試して、書き換える
最後に、出した順番を小さな場面で使ってみます。転職のような大きな決断でいきなり試す必要はありません。
週末の予定の決め方、飲み会に行くかどうか、どの仕事から手をつけるか。そのくらいの粒度で十分です。
使ってみて違和感があれば、順番を入れ替えます。軸は一度決めて守るものではなく、使いながら書き換えていくものです。
書き換えたからといって、ぶれたことにはなりません。むしろ、検証して更新できている状態のほうが、軸としては機能しています。

手順は以上です。ただ、ここまで読んで「一人でできる気がしない」と感じた方もいると思います。その感覚について、少しだけお話しさせてください。
診断ツールは材料になるが、それだけでは動きにくい
この手順を飛ばして、診断ツールで済ませられないかと考える方も多いと思います。実際、わたしもそうしました。

退職後、診断ツールを実施して結果は出ました。強みも言葉として並びました。それでも、自分がこれからどう動けばいいのかは見えてこなかったんです。
変わったのは、その診断結果を使いながら人と話したときでした。話しているうちに、並んでいた言葉がはじめて具体的なイメージになりました。
ここで言いたいのは、診断ツールが無意味だということではありません。ツールは材料で、それを自分の言葉に翻訳する作業が別に必要だった、という順序の話です。
ですので、ステップ1から4までを紙の上でやったあと、それを誰かに話してみる工程を入れられると進みが変わります。相手は友人でも家族でも構いません。

次は、軸ができた先に何が待っているのかをお話しします。ここは正直に書いておきたいところです。
自分軸で生きるとはどういうことか
- 自分軸で生きても、迷いや不安がなくなるわけではない
- 変わるのは、何に悩むかを自分で選べるようになること
- 一人で言葉にしきれなくても、それは失敗ではない
ここでは、軸ができた先の話をします。期待をふくらませすぎないよう、正直なところをお伝えします。

自分軸で生きても、迷いや不安はなくならない
自分軸という言葉には、迷いのない状態というイメージがついて回ります。ただ、実際にはそうなりません。
わたし自身、会社員を辞めて独立し、働く時間も場所も自分で決められるようになりました。当時ほしかった条件は、おおむね手に入っています。
それでも、このままの生活を続けていけるのかという漠然とした不安は、今も消えていません。軸を持つことは、不安をなくす手段ではありませんでした。
ですので、この記事は「軸を決めれば楽になります」とはお伝えしません。そう書いてしまうと、後で裏切ることになるからです。
変わるのは「何に悩むかを自分で選べる」こと
では何が変わったのか。わたしの実感では、不安の種類が入れ替わったという感覚が一番近いです。
会社員時代の不安は、いつまでこの状態が続くのか分からないという種類のものでした。今の不安は、自分の選択の結果として引き受けているものです。
量としては変わっていないかもしれません。ただ、戻りたいとは思いません。抱える不安を自分で選べるようになったから、というのが今の理解です。
ここで一つ添えておきたいことがあります。わたしは当時、独身で守るものが少なく、その分だけ動きやすい立場でした。ですので、このやり方がそのまま当てはまるとは限りません。ただ、順番を言葉にしてから選ぶという点だけは、状況が違っても共通するはずです。
一人で言葉にしきれなくていい
ここまでの手順を読んで、一人でやりきれる気がしないと感じた方もいると思います。それは自然な反応です。
自分の価値観を自分だけで言語化するのは、実際かなり難しい作業です。自分の思考の癖は、自分からは見えにくいからです。
ですので、途中で誰かに話すことを前提に進めてもらって構いません。友人でも、家族でも、同じような立場の人でも大丈夫です。
頼ることは、軸がないことの証明にはなりません。むしろ、言葉にする作業に必要な工程だと考えていただければと思います。
眠れない、気力が出ないといった状態が続いているときは、軸を考える前に休息を優先してください。厚生労働省「こころの耳」では、働く方向けの相談窓口を無料で案内しています。一人で抱えずに使える場所があります。

最後に、よくいただく質問にお答えしていきます。気になるところだけ読んでいただいて大丈夫です。
自分の軸に関するよくある質問
自分軸を持つと、わがままだと思われませんか
相手の事情を検討したうえで自分の順番を説明できるなら、わがままとは異なります。わがままは、相手の事情を検討する工程を省いた状態を指します。
むしろ、軸がはっきりしている人のほうが断り方は丁寧になりやすいです。理由を言葉にできる分、相手を雑に扱わずに済むからです。
自分軸を持つデメリットはありますか
順位をつける過程で、何かを下に置く判断が必要になります。この作業には痛みがともないます。
また、選んだ結果を自分の判断として引き受けることにもなります。人のせいにできなくなる、という側面はあります。ただ、その分だけ検証がしやすくなるという利点もあります。
自分の軸は診断ツールで分かりますか
診断ツールは有効な材料になります。自分では言葉にしにくい傾向を、あらかじめ用意された表現で示してくれるからです。
ただ、結果を読むだけでは行動に結びつきにくいことがあります。出てきた言葉を、自分の実際の出来事に当てはめて話してみる工程を挟むと、輪郭がはっきりしやすくなります。
自分の軸は途中で変わってもいいですか
問題ありません。むしろ、変わらないほうが不自然だと考えています。
20代後半と30代後半では、置かれている状況も、体力も、守るものも変わります。軸は守るものではなく、使いながら更新していくものだと受け取ってください。
まとめ
自分の軸とは、迷ったときに何を優先するかの順番のことです。立派な信念である必要はなく、「とにかく休みが欲しい」でも軸として機能します。
そして、軸がないと感じている方の多くは、軸を持っていないのではなく、まだ言葉にしていないだけです。判断は毎日しているのに、説明する機会がなかっただけとも言えます。
手順としては、感情が動いた出来事を書き出し、共通点を探し、1つ深掘り、順番に並べ、小さな判断で試していきます。全部を今日やる必要はありません。紙を1枚出すところからで十分です。
それでも一人で進みにくいと感じたら、途中で誰かに話してみてください。それは軸がないことの証明ではなく、言葉にする作業に必要な工程です。
満員電車の中で「いつまで続くんだろう」と考えていた頃の自分に、一言だけ声をかけられるとしたら。何を言うだろうと、たまに考えます。
正解を教えてやりたいわけではありませんでした。あのとき一番ほしかったのは、解決策でも手順でもなく、止まっていいという許可だったと思います。
だから言うとしたら、逃げてもいい、助けを求めていい、後悔しない選択をしろよ、くらいのことだと思います。軸を言葉にできたのは、そうやって一度止まったあとでした。
わたしの場合は、止まる時間を確保できたことが先にありました。順番としてどちらが先になるかは人それぞれですが、考える時間そのものが要る作業だという点は共通していると思います。

ここまで読んでも、まだ動けない感じが残っている方もいると思います。わたしも同じ場所にいました。よかったら、この続きを動画でお話しさせてください。









自分の軸とは、迷ったときに自分が何を優先するかの順番のことです。持っていないのではなく、まだ言葉になっていないだけかもしれません。この記事では、その言葉にしていく手順をお伝えします。